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国際基督教大学

リベラルアーツ教育のトップリーダーに聞く 国際基督教大学

大学入試制度の改革や学習指導要領の改訂など、日本の教育が大きく変わりつつあります。グローバル化に対応するために、どんな教育が求められているのでしょうか。

国際基督教大学 毛利 勝彦学部長インタビュー

献学以来、ICUは日本のリベラルアーツ教育を牽引してきました。この4月から学部長に就任した毛利勝彦教授に、グローバルな人材を育む学びの姿勢と環境についてお伺いしました。


入学者選抜で見極めたいのは 学生の知識ではなく資質

 2015年度一般入学試験から実施している独自の”聴く”入試「ATLAS」も、今年から始まる多様な言語背景をもつ学生のための入試制度「ユニヴァーサル・アドミッションズ」も、ICU独自の取り組みです。

 学生に求める資質も一般的な大学とは異なります。
 入学者選抜で見極めたいのは、ICUで学ぶ資質があるかどうか。受験までに蓄積した知識だけでなく、知的好奇心、創造力、ロジカル・シンキング、クリティカル・シンキング、コミュニケーション能力、強靭な精神力と実行力などを重視しています。この入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)をひと言で表現するなら「楽しんで挑戦する意気込み」。前述のATLASも、そんな学生の資質を引き出すための入試スタイルで、決して奇をてらったものではありません。

 本学のリベラルアーツ教育では、ものごとをさまざまな側面から観察し、課題を発見し、問題の本質に迫る過程を重視しています。
 10年以上前に、私がICUに着任したとき、当時の学長は「講義をするな」とアドヴァイスしてくれました。はじめは驚きましたが、今では当然のこととして受け入れています。 現在、私が担当している国際関係の授業は、ほとんどがケース討論や政策ディベート。教員が一方的に講義して指導するのではなく、つねにダイアローグ(対話)によって共に学ぶ姿勢を貫いています。本学の専任教員1人あたりの学生数は約18人ですが、このように国内の大学では類を見ない少人数教育を実施している理由も、まさにそこにあります。学生の数が多すぎると、ダイアローグ中心の授業を実施することが難しくなるからです。


より広く、より深く学ぶために 履修プランを自分で決める

 ICUの授業を通じて学生たちは、自分と向き合い、将来のために何を学ぶべきかと考え、進むべき道を見つけていきます。
 学問領域の枠を越えて自由に道を切り拓けるのは、リベラルアーツ教育ならではのメリット。教養学部で学ぶと専門性が深まらないという誤解もあります。しかし、どんな学問も、ほかの学問と無関係な状態で完結しているわけではありません。私たちは、一般教育科目で間口を広げ、専門化を急がずにじっくり選択したほうが、より深く掘り下げて学べると考えています。

 また、2年次以降にメジャー(専修分野)を選択する際も、さまざまな履修スタイルが用意されています。1つの分野に集中する「シングルメジャー」、2つの分野を同等に修める「ダブルメジャー」、学ぶ比率を変えて組み合わせる「メジャー、マイナー」の3つスタイルから選択が可能。何をどのように学ぶかは、すべて学生の意思にゆだねられており、メジャー選択後も学際的に学びを深めることを奨励しています。

 ICUでは学生一人ひとりに、履修計画や学問上の相談に応じるアカデミックアドヴァイザー(教員)がつきます。また、各メジャーにはメジャーアドヴァイザー(教員)が存在し、それぞれのメジャーに関する相談に専門的な知識をもって対応しています。さらに、APC(アカデミックプランニング・センター)には、アドヴァイジングスタッフ(職員)とピア・アドヴァイザー(学生)が控え、履修計画やメジャー(専修分野)選択の手助けをしています。履修プランの組み合わせは無限にあります。学生たちは、アドヴァイザーたちと積極的に対話し、耳を傾けながら、将来の目標を見据えて履修プランを組み立てます。そして、学びの内容を自発的に選択していく過程で、将来の基盤となる、ものごとに対する考え方やアプローチが身につきます。


グローバルな環境に身を置けば 化学反応が起きて成長できる

 学生たちの成長を促すのは履修科目だけではありません。約50の国と地域から学生が集るICUのキャンパスは、グローバル社会の縮図とも言える環境。ここに身を置くだけで、自然に切磋琢磨され、日々輝きを増すようになります。
 さまざまな価値観や文化的背景をもつ学生たちが集うことで、ある種の化学反応が起こります。グローバルな環境で対話を重ねるうちに、他者を鏡にすることで、自らを批判的に見つめ直すきっかけが生まれます。そして、自分のあるべき姿を再発見して成長できるのです。その様子を目の当たりにするたびに、まさに「人は友によって研ぎ澄まされる」と実感しています。
 ICUに入学すればICU生になるわけではありません。「Being」ではなく「Becoming」。教員や仲間と少しずつ歩みながら、「ICU生になる」と考えてください。

 現在、私たちを取り巻く世界の環境は混沌としています。貧困、格差社会、紛争、人権侵害、環境破壊が身近にある時代において、人も社会も自然もがんじがらめになって、石のように凝り固まっているように感じています。その凝り固まった部分を丁寧に解きほぐし、自分でも気づかない自分を再発見する手助けをすることが、リベラルアーツ教育の本来の役割ではないでしょうか。
 人生の礎を築く大切な時期に本学のグローバルな環境に身を置き、輝かしい未来につながる道をいっしょに探してください。


改革への取り組みが歴史を作った 完結しない「明日の大学」とは?

 文部科学省は2018年までに国際バカロレア(大学入学国際資格制度)の認定校を200校まで増やすことを目標に掲げています。ICU では、以前からこの国際バカロレアによる入学者選抜を実施しているため、認定校の卒業生を受け入れている数は、日本でもっとも多いのではないでしょうか。
 国際バカロレアにおける「日本語と英語によるデュアルランゲージ・ディプロマ(日本語DP)」も、本学の伝統とも言える日英バイリンガル教育に近いものだと思います。グローバル化する世界の多様性を受け止めるため、教育の現場にも改革が求められていると感じています。

 本学は国際連合が採択した世界人権宣言(すべての人間が生まれながらに基本的人権をもつことを認める宣言)を原則に、世界の平和と多様な価値観をもつ人々との共生を実現するため、1953年の献学以来「行動するリベラルアーツ」を実践しています。
 同時に初代学長・湯浅八郎をはじめとする先人たちが提唱した「明日の大学」の理念をもとに、つねに改革を推し進めています。 


素朴な疑問に答えてもらいました

◆毛利先生の一問一答◆

Q1.帰国子女と同等の英語力がなければ合格できない?

A1.多様な言語背景を持つ学生をたくさん受け入れるため、さまざま入試を実施しています。4月入学と9月入学、ユニヴァーサル・アドミッションズと日本国内向け入試という2つの軸が交差したところに4つの扉があります。必ずしも帰国生と同等の英語力が必要なわけではありません。自分に適した扉を叩いてください。


Q2.明確な入試対策が立てられないので不安なのですが?

A2.考え方次第じゃないでしょうか。「入試対策をしなくても良いから気軽に挑戦できる」と考える受験生もいるようですよ。


Q3.入学してからの勉強が大変で、遊ぶ時間はない?

A3.「Study hard, play hard」ですね。しっかり勉強しますが、しっかり遊んでもいますよ(笑)。


Q4.能力や資質の面で、どんな学生を求めていますか?

A4.知的好奇心と創造力、ロジカル・シンキングとクリティカル・シンキング、コミュニケーション能力、強靭な精神力と実行力です。ひと言で表現すると、「楽しんで挑戦する意気込み」ですね。すべての入試問題は、このようなアドミッション・ポリシーに合致した学生に入学していただきたいと願いながら、ICU教員たちが作成しています。


ICUの成り立ちと献学の精神

第二次世界大戦終戦から数週間後、キリスト教精神にもとづく総合大学の設立計画がスタート。日本とアメリカを中心に世界各地に募金活動が広がりました。1949年6月15日に日米の教会・教育関係者が静岡県御殿場市に集結。大学の基本構想を審議したのち、国際基督教大学(ICU)が正式に創立されました。以来、学問分野の垣根を越えた幅広い学びを旨とする日本のリベラルアーツ教育の先駆者として、国籍、人種、宗教、文化の違いを越えたグローバルな学びの場を提供し続けています。


ICUを深く理解するための3つのキーワード

◆「ATLAS」……講義をその場で聴いて設問に答える試験
2015年度より導入。「15分程度の短いレクチャー(講義)をその場で聴き、それをもとに設問に答える」というスタイル。さらに、人文科学、社会科学、自然科学の観点から示された論述を読み、答えを導く。「ATLAS」は「Aptitude Test forLiberal ArtS」の略。ギリシア神話に登場する「世界を双肩で支えるアトラス」や「世界地図」の意味も込められている。

◆「メジャー制」……専修分野の学びを自分でデザインできる制度
ICUにおいて専修分野は「メジャー」と呼ばれる。文学、物理学、心理学などの伝統的な学問分野のほかに、「平和研究」などの問題解決型、「アメリカ研究」などの地域研究型が用意されている。メジャーで選択した分野に照準を定めながらも、他のメジャーや一般教育科目を並行して学ぶことで、広く、深く学ぶことが可能になる。

◆「ユニヴァーサル・アドミッションズ」……2017年度からスタートした新たな入学者選抜制度
ICUの教養学部では、多様化する学生の言語背景に対応するため、国内外のすべての学生に開かれた年2回(4月・9月)の入学者選抜制度を構築し、新たな語学カリキュラムへと移行中。この一環として、外国で教育を受けた志願者を対象に、日本留学試験、IELTSまたはTOEFL、日英両語による面接を組み合わせた「9月入学国際学生入学試験*」を2017年9月入学からスタート。また、「4月入学書類選考」と「4月入学国際学生入学試験」も2018年4月入学から導入する。
*2018年度より試験名称・方法に変更あり。