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▼工学院大学のソーラーカーレース参戦報告会をレポート

オーストラリアを縦断、6日間・3022kmのレースに参戦

 工学院大学「ソーラーカープロジェクト」が参戦、クラス準優勝した「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ 2015」のレース報告会が11月11日に行われました。このレースはオーストラリア・ダーウィンを10月18日にスタートして南下、ゴールのアデレードを目指す、6日間・3022kmの大陸縦断レースです。大会全クラスエントリー数は25カ国・46チーム、工学院大学は日本から唯一のクルーザークラスへの参戦をしました。

 このクラスは4輪車・2人乗り以上で、より実用車に近い規格が設定されている部門です。同大学のソーラーカーは、空力設計されているのに居住空間も確保され、大量の荷物も収納できるボディデザイン。そのスタイルが「フクロウ」に似ている事からOWL(アウル)と名付けられました。



ダーウィンをスタートする工学院大学チームOWL


プロジェクト監督を務める濱根洋人准教授

スピード重視戦略で前半クラス1位ゴール

「カーレースとは、レギュレーション(規格)の中でいかに工夫してベストを尽くせるか、頭脳プレイです。学生たちはレースで全ての力を出し切りました」と、プロジェクト監督を務める濱根洋人准教授(工学部機械システム工学科)がチームを称えて報告会は始まりました。

 クルーザークラスは、外部充電、スピード、搭乗者数、実用点の4項目の合計得点で総合的に競います。前大会からの変更点としてスピードの得点比率が増え、実用点と外部充電は比率が減ったことから、工学院大学チームはスピード項目を重視して、他チームに差を付ける戦略を立てたといいます。OWLの巡航速度は90~100km/h。性能分析をした敵チームの車よりも20km/h程度も高速走行ができると予想したそうです。

 ねらいはピタリと的中。

 予選22位でダーウィンをスタートしたOWLは、前半の第1ステージをクラス1位でゴール。3日間で実に13チームを追い抜いたのです。



レース報告をするチームリーダーの大原聡晃さん


高速巡航で次のポイントをめざすOWL

速度制限を受けるも、懸命な巻き返しを図った後半戦

 後半の第2ステージに入っても、順調にレースを続ける工学院大学チームに、水を差すような出来事が起こります。

「巡航速度100km/hで2位以下にさらに差を付けようとした矢先、大会オフィシャルカーから無線で、『トレーラーで次のコントロールポイントまで運ぶか、70km/h制限で走行するかを選択しなさい』という指導がありました」と、チームリーダーの大原聡晃さん(機械工学専攻修士2年)はその時のことを悔しそうに語ります。

 走行中の車体のふらつきを指摘されたそうですが、レギュレーションにはペナルティ記載がありません。トレーラー運搬はリタイアを意味するもの。決して納得は出来ないが、チームは70km/h制限を受け入れざるを得なかったのです。

 チームは抗議として走行ビデオを撮影して大会側に提出。安全性が認められてペナルティが解除されるまでの4時間40分間を速度制限の中で戦ったそうです。

 解除後は失った時間を取り戻すべく出来うる限りの高速走行を維持、平均速度96.8km/hでアデレードにゴールイン。第1ステージに続き、第2ステージでもクラストップ。またしてもスピード戦略の優位性を見せつけました。



アデレードにゴールし、歓喜にあふれるチームメンバー

シークレットウェポンは下級生

 ゴール後には実用コンテストを受け、坂道発進、縦列駐車、3点Uターン、5分以内に荷物を積めるかなどを実施。審査員へのアピールを行いました。

 外部充電、スピード、搭乗者数、実用点の4項目総合点では惜しくも2位の結果。総合1位の栄冠は、オランダの「Eindhoven」チームに輝きました。残念ながら準優勝にとどまった工学院大学チームですが、選択したスピード戦略は正しかったことを証明した戦いでした。

「準優勝の結果には落胆しましたが、チーム全員でやるべきことをやったので悔いはありません」とチームリーダーの大原さんは晴れやかな表情です。そして、自分たちのシークレットウェポンは「下級生です」と胸を張ります。

 プロジェクトメンバーは76名。全ての学部学科から参加しています。大会には選抜された15名で参戦、半数は2年生以下なのだそうです。レースはメカニック、充電、キャンプ、メディアなど走行を支えるスタッフが確実に仕事をすることで、高いパフォーマンスを維持し結果を生み出すものです。チーム内では、状況別チェックシートを活用して管理の徹底を計るなど、情報や経験を共有してきました。それらが2年生以下のメンバーに受け継がれ、今後の活動に生かされることでしょう。


次期モデルは……

 監督の濱根准教授は次期モデル開発について、
「クルーザークラスは幅広い可能性を持ち、学生が一から設計できる教材としてはすごくいいもの。ファミリーカー、スポーツカー、四輪駆動タイプなど目指せる方向性は様々できると思います。技術面でも、自動運転、車線認識、自動縦列駐車など盛り込むこともできる。学生にはオンリーワンの車を作ってほしいと思います」と今後に期待をかけています。