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<span>グローバル人材を育てる大学を探そう!</span>

グローバル人材を育てる大学を探そう!

<グローバル社会で生き抜く力が、教育界でさらに重要に>
日本社会が大きな変化を遂げ、グローバル人材を育成する取り組みが各大学でさらに活発化しています。
日本におけるグローバル教育の歴史を振り返りながら、現在、各大学で進められている教育改革について見ていきましょう。


グローバル人材の育成を目指す最近の動向

文科省、経産省、経団連が グローバル人材の育成を提唱

 すべては2008年、文部科学省から始まりました。文科省は、2020年をめどに30万人の留学生の受け入れを目指す「留学生30万人計画」を策定し、国際化拠点整備事業(通称「グローバル30」)において、対象となる13大学を選択しました。東大や早慶上智を含むこの13大学において計画的に留学生を受け入れ、最終的には30大学まで拡大する計画でした。しかし、事業仕分けにより中断し、予算も縮小されてしまい、2013年度末をもって終了しました。

 また、2010年4月に経産省は、文科省と共同で事務局を設立した産業人材育成パートナーシップ・グローバル人材育成委員会において、「産学官でグローバル人材の育成を」と題する報告書を公表。いくつかの要件を挙げてグローバル人材の育成を大学に求めました。

 2011年には、文科省が日本人学生の海外留学と外国人学生の受け入れを行い、アジアやアメリカなどの大学との交流を支援する「大学の世界展開力強化事業」をスタート。後述するように現在も取り組みが継続しています。

 さらに経団連も、2011年6月に「グローバル人材の育成に向けた提言」を発表。グローバル人材育成において産学官に求められる具体的な取り組みを示しました。同時期に経団連は「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」を立ち上げ、現在も海外の大学に留学する大学生を対象に奨学金を支給しています。

 また、同年6月に政府は、「グローバル人材育成推進会議」を開催。翌年に発表された報告書では「語学力、コミュニケーション能力のほかに、主体性、積極性、チャレンジ精神、協調性、柔軟性、責任感、使命感、異文化に対する理解、日本人としてのアイデンティティなどが求められる」と結論づけています。

 これを受けて文科省は、「グローバル人材育成推進事業」をスタートさせ、大学教育のグローバル化への取り組みを行う事業に対して、重点的な財政支援を約束。2012 年に42 大学が採択され、これも後述するように現在も取り組みが積極的に続けられています。

 このような一連の動きには、従来の教育ではグローバル人材を育成できないという反省が込められており、大学側は各方面から抜本的な改革を迫られています。大学教育だけに責任を押しつけるのは間違いですが、スピードが要求される現在の状況では、当然のなりゆきとも言えるでしょう。



グローバル5大学(G5)のグローバル人材を育成する学部


スーパーグローバル大学創成支援 採択大学

5大学がグローバル教育を率先、他大学もさまざまアプローチで対応

 それでは、日本の大学において、グローバル人材を育成するため、どのような対応策を講じているのかを見てみましょう。
 2010年4月に、国際教養大学、国際基督教大学、早稲田大学(国際教養学部)、立命館アジア太平洋大学の4大学が「グローバル4大学」と称する大学間の連携・交流協定を結びました。その後、2012年8月に上智大学が加わり、新たに「グローバル5大学(通称:G5)」として活動を継続し、率先してグローバル人材の育成に取り組んできました。

 しかし、グローバル化へのアプローチはさまざまで、これら5大学だけが積極的に取り組んでいるわけではありません。

 前述の「グローバル人材育成推進事業」は、2014年度から「スーパーグローバル大学創成支援」と名称が変更されました。ここでは、財政支援の審査において、大学における取り組みを大きく2つのタイプに分けています。

 ひとつは「タイプA(トップ型)」と呼ばれるタイプで、世界ランキングトップ100を目指す力のある大学を支援するもの。もうひとつは「タイプB(グローバル化牽引型)」と呼ばれるタイプで、これまでの実績をもとに日本社会のグローバル化を牽引する大学を支援するもの。「大学改革」と「国際化」をさらに徹底する取り組みと言えます。トップ型に13校、グローバル化牽引型に24校が採択され、各大学が勢力的に活動しています。

 また、前述の「大学の世界展開力強化事業」では、2017年度の「ロシア、インド等との大学間交流形成支援」において、13の大学から申請された構想が採択されています。

 これらの事業に対する見直し・縮小が行われることは考えにくく、今後もますます活発化することが予想されます。



グローバル人材を育成する新設学部・学科(一例)

グローバル教育を意識した 学部・学科が続々と誕生

 「スーパーグローバル大学創成支援」「大学の世界展開力強化事業」に採択された大学がグローバル教育に力を入れているのは間違いありません。ただし、採択されなかったり申請しなかったりした、ほかの大学の取り組みが消極的だとは言えないでしょう。実際、グローバル人材育成に目的を絞った学部・学科が次々と新設されているからです

 たとえば、2017年には、津田塾大学が「総合政策学部 総合政策学科」を新設。少人数教育や柔軟なカリキュラム、英語の4技能(後述)の育成を行っています。

 また、立教大学では「グローバル・リベラルアーツ・プログラム(GLAP)」をスタート。英語で授業が行われる科目の履修だけで学位が取得できるなど、新しい時代のグローバルリーダーの育成に注力します。

 さらに、2018年には、明治学院大学が法学部に「グローバル法学科」を新設し、法分野のグローバル化に対応した学びを配置しています。

 そして、2019年にも、神奈川大学や帝京科学大学などが、グローバル教育を行う学部やコースを新設する予定です。

 以上はほんの一例ですが、グローバル教育を目的とする学部の新設は近年の潮流になっていることは間違いなく、今後もこの傾向は継続していくでしょう。


グローバル化社会に対応するため 2020年に「大学入試センター」が廃止

 2013年に政府が発表した「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」(第四次提言)において「新しいテストの創設」が提案されました。現在、国公立大学や多くの私立大学が実施している「大学入試センター試験」が2020年1月の実施を最後に廃止され、新しい方式の「大学入学共通テスト」が導入されることになったのです。

 入試制度を見直すことになった背景には、少子高齢化社会の到来や産業構造の転換など、日本社会の急激な変化があると思われます。これからは、文化的背景や価値観の異なる人と協力しながら、問題を解決していく力が求められるようになります。従来のように「知識や技能の習得」だけを目指す教育では、未来を生き抜く力を養うことができないのです。

 従来の「大学入試センター試験」と、新しい「大学入学共通テスト」の大きな違いは2つ。まず、共通テストでは、センター試験にはなかった記述式問題が導入されます。また、英語では、2技能(読む・聞く)から、4技能(読む・聞く・話す・書く)を評価するようになります。さらに、実用技能英語検定(英検)やTOEICなどの民間試験(英語外部試験)を活用する選択方法が採用される予定です。

 共通テストでは、従来の「知識・技能」だけではなく、大学入学段階で求められる「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するよう定めています。出題内容は未定ですが、現行のセンター試験と比較すると、難易度の高い問題が出題されることが予想されます。


時代にマッチした学びのために 大きな教育改革が進められている

 各大学の入試にも改革が求められています。現状の日本の教育は、先生の授業を聞いて知識を増やす「知識習得型」になっています。これまでの大学入試が「知識・技能」のみを求めていたからです。しかし、文科省は、各大学の入試は「学力の3要素」を多面的・総合的に評価するものに転換することが必要だとしています。

「学力の3要素」とは、「知識・技能」に加えて、「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」のこと。今後は各大学がこの3要素を評価すべく、入試の方法を見直すことが求められるわけです。

 グローバル教育の整備が進められる中、学ぶ側の心構えも変えていく必要があります。将来、どのような人になりたいのか、どんな分野でどう活躍したいのか、といった自分なりの理想像をしっかりと見据えなければなりません。そのためには、ふだんから新聞やテレビの報道などをチェックし、社会の問題に関心を持ったり、情報収集をしたりして、見聞を広めていくことも大切です。

 「グローバル教育」と一口にいっても、実際に学べる内容は各大学で異なります。自分の学びたいことと学びの内容がきちんと合致しているかどうかを慎重に見極めたいものです。受験する大学を選ぶときは、学部・学科の名称だけでなく、アドミッション・ポリシー(教育理念)やカリキュラム、シラバス(学習計画)を事前にしっかり確認するようにしましょう。