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国際基督教大学

多言語でグローバルな人材を育むリベラルアーツのトップ校に聞く

献学以来、ICUはリベラルアーツ教育を推進し、グローバル人材を社会に輩出してきました。グローバル化がより現実のものになりつつある今、どのような力を養えばよいのでしょうか。学長の日比谷氏にお話をうかがいました。
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日比谷 潤子氏
■PROFILE
ペンシルヴェニア大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。慶應義塾大学国際センター助教授。ダートマス大学客員准教授、国際基督教大学教授、学務副学長を経て、2012年学長に就任。
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グローバル人材の育成は ICUの献学以来の目標

 情報通信のスピードが上がり、国際的な市場が開放され、さまざまな分野で国境があいまいになりつつある今、「グローバル化」は耳新しい言葉ではありません。教育の分野でも、諸外国との交流やグローバル化に対応できる人材の養成などの面で、国際化が進んでいます。

 そんな社会情勢を受けて、「グローバル人材」を求める声が高まっています。
 ICUのリベラルアーツ教育は、責任ある地球市民として国際社会で必要とされる人材の育成を目指しています。日本ではじめて「国際」を冠した大学で、生まれも育ちも文化も異なる学生と教職員がキャンパスに集い、国際的なコミュニティを形成しています。

 時流に合わせるための施策として国際化に照準を合わせているわけではありません。世界の平和に貢献できるグローバル人材の育成は献学以来の目標であり、必然なのです。

 また、グローバル人材はただ単に「英語を流暢に話せる人」ではありません。グローバル人材として活躍するためには、環境、背景、価値観、文化が違う人たちの考えを理解しながら、自分の意見を論理的に伝え、ともに問題解決に向かう姿勢が求められます。リベラルアーツ教育を通じて、文系・理系を問わない幅広い知識を身につけ、実践の場で活用できるようになることも必要です。

 外国語を覚えることがグローバル化への対応ではありません。習得した外国語を使って、世界のどこへ行っても自分を見失わず、生き抜ける力を育んでほしいと願っています。



2018 年に体育館、プール棟、屋根付きテニスコートが新設された。ICUで は保健体育が必修科目。グローバル人材にはウェルネス(日常生活に運動を 取り入れて健康的に暮らすこと)への意識も欠かせない。

日英バイリンガリズムで 異文化コミュニケーション能力を育む

 ICU ではグローバル人材としてのコミュニケーション能力を育むために「日英バイリンガリズム」を実践しています。未知の価値観や思想に接したときに、対話を重ね、他者との新たな関係のなかに自己を見つめ直すことができる人になるためには、複数の言語運用能力が必須となるからです。

 おもに日本語を母語とする学生は1年次の大半を費やして英語力を磨きます。「ELA(リベラルアーツ英語プログラム)」と呼ばれるこの授業では、さまざまなトピックスに関連した学術的な文献を読み、議論し、論文を書きます。ICUには日英両語を公式言語とするバイリンガリズムが貫かれており、教室、事務室、学生のクラブ活動においても、この原則が浸透しています。

 また、おもに日本語以外を母語とする学生は「JLP(日本語教育プログラム)」で日本語力を磨きます。ICUのキャンパスは海外から来た学生が「日本」と出会う場です。そのため、英語だけで卒業できるコースを設定せず、日英バイリンガリズムを徹底しています。


受け入れの多様性を追求する ユニヴァーサル・アドミッションズ

 ICUでは、世界のさまざまな教育制度を背景に持つ学生を受け入れてきました。さらに2018年から、母語が英語でも日本語でもない学生を対象に「ユニヴァーサル・アドミッションズ4月入学国際学生入学試験/9月入学国際学生書類選考」を実施しています。

 これまでは大学での学びに充分な日本語または英語の能力があることが選抜の条件でしたが、この制度により、母語が日本語でも英語でもない、これまでとは異なる背景を持つ学生の受け入れが可能になりました。たとえば、中国語、韓国語、インドネシア語、ロシア語などを母語とする学生たちです。

 先日、2018年4月に入学した国際学生と話をする機会がありました。そのなかの一人が「ICUを選んだのは、私らしい学びができるから」と教えてくれたことが印象的でした。

 「私らしさ」は人それぞれですが、ICUのキャンパスそのものが多様性のあるグローバルな環境なので、どんな人でも自分らしい学びを発見できます。「他者を発見して新たな自分を創造すること」がリベラルアーツ教育の本質です。


「2+1(ツー・プラス・ワン)」 多言語で学ぶことの意義

 日英バイリンガリズムの実践により、日本語と同じように英語が使えるようになれば、他者を理解する手段がひとつ増えます。さらに「日英」をベースにして「2+1(ツー・プラス・ワン)」の考え方で、もうひとつ言語を学ぶことを推奨しています。

 ICUでは9つの言語コース(アラビア語、インドネシア語、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語、ロシア語、スペイン語)を開講しています。言語の習得だけではなく、それぞれの言語の裏側にある価値観、文化、思想も学びます。

 母語以外に2つ以上の言語を習得している人を「マルチリンガル」と呼びます。グローバルスタンダードにおいてマルチリンガルはめずらしくありません。海外に留学すると母語や英語を合わせて3~4か国語を操る学生もいます。

 必ずしも「多言語を話せる人=グローバル人材」ではありませんが、日英バイリンガリズムに加えて、3つ目の言語を使えるようになれば、他者を理解する手段がもうひとつ増えます。新たな言語の背景にある文化にふれることで、新しい視点が生まれ、ものの見方が変わります。

 中国でビジネスをしたいから中国語を学ぶ。ルネサンス美術に興味があるからイタリア語を学ぶ。フランス料理が大好きだからフランス語を学ぶ。きっかけは何でもかまいません。

 世界を知る視点を増やすことが、国境のない世界で生き抜く力になります。
 世界的な基準では「日本人は外国語が苦手」と評価されていますが、日本人の言語能力が乏しいわけではありません。日本語しか話せないのは、日本語だけ話せれば問題のない世界で生きていけたからではないでしょうか。

 相撲部屋の外国人力士のみなさんは流暢な日本語を話します。日本人でも、海外で仕事をする人は、(時間はかかるかもしれませんが)現地の言葉を話せるようになります。つまり、必要があれば使えるようになるのです。

 グローバル化の波に乗り遅れないように多言語を学ぶのではなく、多様な世界を舞台に活躍するために多言語で学ぶと考えてください。


多様な選択肢から自ら決断する力が グローバル人材の礎になる

 ICUには視野を広げるための選択肢がたくさん用意されています。23か国73大学を対象にした交換留学プログラムや、夏期プログラム、社会奉仕活動に従事するサービス・ラーニングなど、多種多様なプログラムを提供しています。

 また、ICUでは学生が本当に学びたいことを見つけられるように、2年次の終わりに文系・理系の幅広い選択肢からメジャー(専修分野)を決定します。これは「広く、そして深く学ぶこと」を目指すリベラルアーツ教育のスタンダードな学びのスタイルです。「メジャー制」というこの制度には、研究領域の違いを学びながら確認できるというメリットがあります。

 さらに、教員、事務スタッフ、卒業生など大学全体としてキャリア形成支援に取り組み、就職だけではない進学なども含めたキャリア形成のサポートを実現しています。
 この他、学生にグローバル・キャリアに触れる機会を与える「GLOBAL LINKプログラム」も実施しています。

 将来につながる選択肢は無限にあります。少人数だからこそ実現できる細やかなサポート体制も整っています。
 ただし、最後に決めるのは、あなた自身です。何かを選ぶとは何かを捨てること。自分で決断できれば、将来どんな国に行っても、どんな仕事をしても、「決断できる人」になれます。その決断ができる人を「グローバル人材」と呼ぶのではないでしょうか。
 本校の学びを礎にして、グローバル人材として世界で活躍できる人になってください。


グローバル人材を支援する ICUの3つの制度

1.【リベラルアーツの多様な学びを実現するメジャー制】
ICUでは2年次の終わりに31のメジャー(専修分野)から専攻を選ぶ。その選択方法は3つある。1つだけ選ぶSINGLE MAJOR、2つを組み合わせるDOUBLE MAJOR、2つの分野の学びの比率を変えるMAJOR + MINORだ。31のメジャー(専修分野)には、文学、物理学、心理学などの伝統的な学問分野の他、問題解決型や地域研究型などがあり、専門を系統的に学ぶことができる。

2.【英語力だけではなく思考力も養うELA(リベラルアーツ英語プログラム)】
「ELA」はおもに日本語を母語とする学生を対象にした英語プログラム。1年次の大半を費やして、大学で学ぶためのアカデミックな英語力を身につける。このプログラムは、約20名の少人数クラスで行われ、学生の英語力やニーズに合わせた細やかな指導が実践されている。また、この「ELA」を通じてI CUの学生は、独創的、批判的、そして主体的な思考力を養っている。

3.【国家の枠にとらわれずに世界へ旅立つ留学・海外体験プログラム】
1年次、2年次には、おもに夏休みの期間を利用した「海外英語研修プログラム」を実施している。英語を母語とする国の大学や英語研修所で異文化を体験しながら、約6週間、集中して英語を学ぶ。また、3年次以上を対象とした「交換留学プログラム」は23か国73大学が対象(期間:1年間)。その他、短期の留学プログラムやサービス・ラーニング(自発的な意思に基づいて、一定期間無償で社会奉仕活動に従事し、その体験を個々の学習活動に活かすという教育プログラム)など、学生のニーズに応じた多彩なプログラムが用意されている。