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国際基督教大学

バイリンガリズムを実現するリベラルアーツのトップ校に聞く

 日本のリベラルアーツを牽引すると同時に、大学における英語教育のパイオニアとして実績を積み重ねてきたICU。「英語」に求められる本質的な力とは何でしょうか。
 小・中・高を通じて英語教育の見直しが進む今、どのような学びが将来を切りひらく力に結びつくのでしょうか。アドミッションズ・センター長の森島泰則教授にお話を伺いました。
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森島 泰則氏
■PROFILE
アドミッションズ・センター長、教授(心理学)。1996年コロラド大学大学院より博士号(Ph.D.)を取得。スタンフォード大学客員研究員などを経て、2003 年にICUに着任。2015年より現職。
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リベラルアーツで 広い視野で深く学ぶ

 リベラルアーツは、これまでの人間の営みを通じて積み重ねられてきた知識を学び、統合する教育手法です。身の回りの出来事、世界で起きている諸問題、そして現在の世界のありように対して積極的にアプローチするためには、幅広い知識をバランスよく身につける必要があります。その意味で、リベラルアーツはとても有効な学びの手段だと考えています。

 日本の大学の多くは入学時に学部・学科を選び、低学年時から専門の授業を行いますが、本来、バランスの取れた知識を身につけ、思考力やコミュニケーション能力を養うためには、それなりの時間をかける必要があると考えています。たとえばヨーロッパでは、大学入学時までにリベラルアーツ的な教育が行われ、大学で専門教育が実施されます。アメリカでは、大学4年間を通じてリベラルアーツで学び、より高度な専門教育は大学院で行うことが主流です。

 ICUでは、入学時に専門を決めず、さまざまな学問分野に触れながら自分の興味・関心を見極め、2年次の終わりに30あまりのメジャー(専修分野)から専門を決定します。その後も、他の分野に触れながら専門分野を探究することで、知的で柔軟性のある思考力が鍛錬されるのです。

「 教養学部は専門性が深まらないのでは?」と聞かれることもありますが、学び方では専門学部での学びにまったく劣っていません。それどころか、多面的、複合的に学ぶことで、より専門性が練られていくのです。

 ICUの授業は少人数によるグループワークが多く、授業時間外でも学生同士がディスカッションする光景をよく目にします。異なるメジャーや興味・関心を持った学生同士が、一つのテーマについてさまざまな観点から探究できる環境も、広く深く学ぶために必要な要素です。



東京郊外・武蔵野の豊かな緑に囲まれたキャンパスは東京ドーム約13個分 の広さ(約62万平方メートル)。広大な敷地内に、教育・研究施設のほか、10の学生寮、教職員住宅、礼拝堂などが点在している。

「使える英語」のスキルは 手段であって目的ではない

 ICUでは、異なる文化背景をもつ学生とグローバルな視点で対話するために、日英バイリンガリズムを実践しています。おもに日本語を母語とする学生は、1年次の大半を費やしてICUで効果的に学ぶための英語力と思考力を磨きます。

「ELA(リベラルアーツ英語プログラム)」と呼ばれるこのプログラムでは、習熟度に応じて「Stream 1・2・3・4」に振り分けられ、約20人のクラスで週4~11コマの授業を履修します。授業では、さまざまなトピックに関連した学術的な英語文献を読み、議論し、論文を書き、集中的に「使える英語」に取り組みます。

 この「使える英語」とは、主体的に、または論理的に考えながら、それを適切に表現できる英語力という意味です。英語はそのための手段であり、目的ではありません。一般的に「ICUの英語は難しい」と考える人もいるようですが、入学試験では、難解な英語の設問を出したり、極端に高いレベルの英語力を求めたりするわけではありません。中学、高校で学ぶ英語をしっかり身につけることは大切ですが、学生一人ひとりの英語力に合わせて指導していますので、入学後の学びについて不安に思う必要はありません。

 また、「ELAのすべての授業が英語」「1週間に11コマ」と聞くと、尻込みする人がいるかもしれませんが、そのくらい集中的に学べる環境が用意されていると前向きに考えてください。


「日英バイリンガリズム」が 異質なものとの出会いを生む

 一方、ICUでは、おもに日本語を母語としない学生に対して、「JLP(日本語教育プログラム)」を実施しています。ICUで学位を取得する4 年本科生、交換留学生、大学院生など、毎学期20数カ国に及ぶ多様な背景を持つ150名ほどの学生がこのJLPで学びます。

 さらに、日英両語ともが母語でない学生、初めて日本語を学ぶ学生、日本語ネイティブに近い学生など、一人ひとりに合った適切な日本語教育プログラムを提供しています。

 文化的にも、言語的にも背景が違う学生たちが集い、英語や日本語で互いに議論し合えるようになり、異質なものがぶつかることで新たな「気づき」が生まれる……それが「日英バイリンガリズム」の本質です。

 そもそも、英語ができれば国際的というわけではありません。英語が母語、または母語に近い環境で育てば、英語でコミュニケーションがとれるようになるのは当然のことです。「英語のスキルさえ磨けばグローバルな人になれる」と考えられがちですが、母語で論理的な思考ができなくては、英語のスキルを身につけても論理的には考えられません。

 英語にかぎらず、語学のスキルを磨くことに意味はありますが、そこが終着点ではありません。語学力を養いつつ、少人数制による対話型の学びを通じて、知的好奇心や創造力、ロジカル・シンキング、クリティカル・シンキングなどの能力を養うことが大切です。

 「日英バイリンガリズム」によりコミュニケーション能力が向上すれば、視野が広がります。視野が広がれば、他者の多様な意見に耳を傾けながら、自分の考えを明確に相手に伝えられるようになります。「使える英語」を身につける本来の目的は、そこにあると思います。


「探求心」を育んでおけば リベラルアーツで力を出せる

 ICUの専任教員の3人に1人は外国籍で、世界的に見ても、外国籍教員の比率は高い水準です。学生のおよそ10人に1人は外国籍で、その国籍の数は世界で約50にもおよびます。 

 海外からの留学生や帰国生を「グローバルな環境で育った人」として考えてしまう風潮がありますが、彼らの多くは、それぞれの地域のローカルな環境で生活しており、必ずしも異文化が交わるグローバルな環境で生きてきたとは言えません。

 本学にはさまざまな国や地域で学んだ学生がたくさん集まってきます。そのようなキャンパスで学ぶことこそが、まさに「グローバルな体験をする」ということなのです。この開かれた場に参加するために、まずは身の回りにあるものに着目し、「探求心」を磨いてください。

 中学、高校の各教科を通じて、基礎学力や基礎知識を身につけることも大切です。しかし、それに加えて、一つのものごとに向かい、自分なりに考え、工夫をしながら結果を導く体験をしていれば、本学のようなリベラルアーツの学びの場に、より適応しやすくなると思います。

 スポーツでも、興味のある教科でも、趣味でもかまいません。与えられたものをただ消化するのではなく、自分の頭で考えるという体験が、個性の礎となります。そして、その礎が、充実した人生を送るための糧となります。

 リベラルアーツは人をつくる学びの手段です。この環境で学び、「人とは何か?」「この世界とは何なのか?」という本質的な問いかけをする大学時代の経験が、将来、さまざまな局面でもっともよい判断をするための下地をつくります。さらに、世界から集まった個性をぶつけ合うことで身につく問題解決力や創造力が、次の時代を担う新たなイノベーションを生む原動力になると信じています。



ICUのリベラルアーツは1949年6月16日に開かれた御殿場会議から始まる。

ICUの成り立ちと献学の精神

第二次世界大戦終戦から数週間後、キリスト教精神にもとづく総合大学の設立計画がスタートした。日本とアメリカを中心にして世界各地に募金活動の輪が広がる中、1949年6月に日米の教会・教育関係者が静岡県の御殿場市に集結して会議を行い、新たな大学の基本構想を審議した。その後、国際基督教大学(ICU)として正式に創立され、以来、学問分野の垣根を超えた幅広い学びと「個」を尊重し合う精神を実現するため、日本のリベラルアーツ教育の先駆者として学びの場を提供し続けている。国籍、人種、宗教、文化の違いを受け入れるグローバルな姿勢が求められる今、大学教育の現場でひときわ異彩を放っている。


ICUを深く理解するための4つのキーワード「メジャー制」

【自分の学びを自分でデザインする制度】
ICUの専修分野は「メジャー」と呼ばれる。31のメジャー(専修分野)を自由に選択できる制度で、文学、物理学、心理学などの伝統的な学問分野と、「平和研究」「アメリカ研究」などの分野がある。どの分野も、他大学の学部に相当する科目群を配しており、人文科学、社会科学、自然科学などの領域を越えて、多角的に学べる。


ICUを深く理解するための4つのキーワード「ELA( English for Liberal Arts Program)」

【集中的なプログラムで英語で考え、対話し、発信するスキルを磨く】
おもに日本語を母語とする学生を対象に1、2年次に行われるプログラム。約20名の少人数クラスで構成され、授業は英語で行なわれるが、個々の英語力に合わせた丁寧な指導が行われるので安心。ICUの学びに必要な英語のスキルとリベラルアーツの根幹となる批判的分析能力を養い、主体的に考える力を身につけることを目的にしている。


ICUを深く理解するための4つのキーワード「留学・海外体験」

【多様なプログラムがあり学びの目的に合わせて選択できる】
1、2年次には、夏休みを利用した約6週間の「海外英語研修(SEA)プログラム」を実施している。英語を母語とする国の大学や英語研修所で、異文化を体験しながら集中的に英語を学ぶプログラムだ。また、3年次を対象とした「交換留学プログラム」には、23か国72大学*の協定校があり、1年間留学して専門の学びを深めることができる。この他にも、夏期プログラムや国際サービス・ラーニングなど、多彩な選択肢が用意されている。*2018年3月現在。


ICUを深く理解するための4つのキーワード「学生寮」

【キャンパス内にある寮に約900名の学生が居住できる】
ICUの学生寮は共同生活における「対話」を通じて、学生が人権や多様性の尊重、責任の共有、分担を学ぶ『教育寮』。すべての寮は自然豊かなキャンパス内に位置し、大学本館、食堂、図書館などの大学施設を気軽に利用できる。出身地域や育った環境、性格や考え方、さらには言語、文化、宗教も異なる学生たちが、この寮でともに暮らし、充実した生活を送っている。2017年4月には新たに2棟の学生寮が誕生。約900名の学生がキャンパス内に居住できるようになった。